個人でアパレルブランドを立ち上げる際の注意点について解説

昨今では、簡単に自分のネットショップを作る事が出来るようになった事から、個人で自分のアパレルブランドを立ち上げる人が増えています。しかし、ビジネスとして成長して行く事は簡単ではありません。ビジネスには多くの落とし穴が存在し、様々な事に注意しなければ取り返しのつかない事態に発展してしまう事がよくあります。ここでは、数々の落とし穴にはまってきた経験者の観点から個人でアパレルブランドを立ち上げる際の注意点について解説します。

個人でアパレルブランド
を立ち上げる際の注意点

■消費者視点とビジネス視点は世界が違う

■在庫リスクを甘く見るな

■初期のテストマーケティングが運命を左右する

■ブランド名を決める際の注意点

■ミッションからスタートしよう

個人でアパレルブランドを立ち上げる際の注意点

消費者視点とビジネス視点は世界が違う

昨今では、簡単にネットショップが開設出来るようになった事などから、アパレル業界未経験からのブランド立上げのケースが増えていますが、消費者視点とビジネス視点は全く世界が異なるので、注意が必要です。

弊社ではこれまで沢山のアパレルブランド立上げに関する相談を受けて来ましたが、自分の欲しいモノや作りたいモノを忠実に作ろうとしてしまう方が非常に多いです。しかし、このようなモノ作りを行ってしまうとまず間違いなく上手く行きません。

アパレル業界では、「作品」と「商品」という言葉が明確に区別されています。

「作品」とは自分の作りたいモノを作る事で、「商品」は買手や消費者が欲しいモノを作る事です。

アパレルの展示会などに出展してみると、よく理解出来ると思うのですが、バイヤーなどから「これは商品じゃなくて作品だね」と言われてしまう事が多々あります。プロのバイヤーは一瞬でこれは自己満足から創り出されたモノなのか、それともマーケットの流れを押さえた上で、どのようなターゲットに向けて創り出されたモノなのかについての違いが分かります。さらに言えば売れる商品なのか、売れない作品なのかを一目で判断されてしまいます。

つまり「自分が本当に欲しい物を作ればきっと誰かが気に入ってくれるはずだ!」という消費者視点からビジネスを始めてしまうと非常に危険なのです。

売れている商品は、市場やターゲットを細かく定め、ターゲットの特徴からライフスタイルまであらゆる情報と日々の研究を基に、特定のターゲットに欲しいと思わせる「デザイン」「機能性」「価格」「素材」等を決め、一つの「商品」を生み出しているのです。つまり、売れるか分からないモノを生み出しているのではなく、売れている商品はほとんどが「売れるべくして売れている」のです。これがビジネス視点でモノを作るという事なのです。

消費者視点とビジネス視点は世界が大きく異なります。これは実際に自分のブランドを立ち上げ、ビジネスをスタートした後に痛感すると思います。せっかく勇気を持って自分のアパレルブランドを立ち上げたのに最悪の結果とならないようビジネス視点を持って商売を始める事を強くおススメします。

ビジネス視点を持つには、まずマーケティングの設計を行う事から始めてみましょう。

在庫リスクを甘く見るな

アパレルブランドを立ち上げる際は「在庫リスク」にも注意が必要です。

よく最初から資本金の多くを投下し、多数の在庫を抱えた状態で自分のブランドを立ち上げようとしてしまう方が多いのですが、一部の業界経験者を除いて、極力在庫は少なくスタートする事をおススメします。アイテムは極力絞った方が良いです。特に業界の経験の無い状態でゼロからスタートするのあれば、最初は何か一つのアイテムに特化した状態からスタートした方が良いでしょう。

理由は、上記「ビジネス視点」が身に付くまでには、相応の時間を要するため、最初から在庫に資金を投下しすぎてしまうと、本来かけるべき広告費や、展示会出展コストが無くなり、気づけば大量の在庫だけが残るという最悪の事態が発生してしまうからです。

また、最初のうちは上記「ビジネス視点」が備わっていないため、中々思うように売上が立たない事がほとんどです。顧客との様々なコミュニケーションを通じて商品を少しづつ修正・アップデートして行きながら少しづつ「どんな人に、どんな商品が、いくら位で売れるのか」が分かるようになり、売上が作れるようになって行きます。したがって商品もビジネス視点のレベルアップと共に少しづつ増やして行くべきなのです。

さらには、最初から在庫を持ちすぎてしまうと、 必ず資金繰りが苦しくなります。最悪のケースとしてかなり早いタイミングで資金が回らなくなってしまう事も多々あります。

大げさでは無く、資金繰りは本当にシビアです。特に売れて来たタイミングほど、先に商品の製造に沢山のお金を投下し、売れた商品に対するお金は後から回収される事が多いので、SKU(最小在庫管理単位)が多ければ多いほど地獄を見ます。

以上より、最初は特定のアイテムに特化し、極力在庫のリスクを下げ、顧客や市場とのコミュニケーションを通じて徐々に商品のラインナップを増やして行きましょう!

初期のテストマーケティングが運命を左右する

上記在庫リスクについての説明の中で、「売れている商品は、売れるべくして売れている」と述べましたが、それでは、業界未経験で知識やノウハウが無い状態から自分のアパレルブランドを立ち上げ売れる商品を作るにはどうしたらよいでしょうか?

答えは、ブランド立上げ初期段階はテストマーケティングを繰り返しましょう!

テストマーケティングとは、顧客や市場(マーケット)に自分の商品をテストする事です。

具体的に説明すると、ブランド立上げ初期段階では、積極的に催事や販売イベントに出店し、不特定多数の第三者に自分の商品を提案して様々な情報を収集しましょう。

テストマーケティングを繰り返す事で、「実際にどんな人が、どんな場所で、どんな商品を、どんな価格で、どのように提案すれば売れるのか」が少しづつ分かるようになってきます。そのようなプロセスと共にブランド及び商品を修正・アップデートしながらブランドは成長して行くのです。(ほとんどの場合において最初に作った商品は、修正やアップデートが必要になる為、最初のアイテム(在庫)は極力少なくした方が良いのです。)

初期のテストマーケティングはその後のブランド成長を大きく左右するほどに重要です。したがって最初は積極的に催事や販売イベントに出店して行き、様々な顧客とのコミュニケーションを通じて様々な情報収集に努める事を強くおススメします。

ブランド名を決める際の注意点

個人でアパレルブランドを立ち上げる方の中には、ブランド名を「なんとなく」で決めてしまっている人がいます。しかし、アパレルブランド名の決め方も、将来の事業成長に非常に大きな影響を及ぼしますので注意が必要です。

非常によくあるケースとしては、自分のブランド名が他の有名な商品、サービスまたは会社名、事業名などの固有名詞と被ってしまい、そのブランド名でWEB検索(指名検索)しても上位表示されないというケースです。

自分のブランド名で指名検索した時は、一番最初に自分のブランドのWEBサイトが表示されないとその後の事業成長がハードモードになってしまいます。自分のブランド名で検索してくれた人達というのは、何かしらの興味関心があるからこそ、わざわざブランド名を入力してWEB検索をしています。にもかかわらず、そのブランドのwebサイトがすぐに表示されなければ、多くの人はそこで検索を諦めてしまいます。

これはつまり、自分のブランドの見込み客をまるまる逃してしまっている状態なのです。穴の開いたバケツで水を汲んでいる状態とも言え、このような状態は回避しなければなりません。

アパレルブランド名の決め方については、他にも注意すべき点がいくつかあります。詳しくは以下のページで解説しておりますので、是非ご覧くださいませ。

ミッションからスタートしよう

最後に、個人アパレルブランドを立ち上げようと考えている方々に、伝えておきたい事はまずはミッション(起業の目的・果たすべき使命)を決める事から全てをスタートさせましょう!

自分の欲しい物や作りたい商品作り(作品作り)から始めてしまう人が多いのですが、それではかなりの確率で上手く行かない事は上記でお伝えしました。

自分のアパレルブランドを立ち上げたいのなら、まずは「自分のアパレル事業で世の中に対してどうしたいのか?」という事業の本質からしっかりと考える事をおすすめします。

事業の本質を明確にすると、事業の方向性が見えてきます。あとはその方向性の中で、市場調査を行い、市場を決め、市場を細分化し、ターゲットを明確化し、差別化要素を決定した上でどんな商品をいくらでどのような場所で、どのようにアプローチしていくのかという細部を練り上げて行くのです。この一連のプロセスを決めて行く事がマーケティングの設計です。

マーケティングの設計は、ビジネスの土台(基礎)をしっかり固める事と同義です。何事にも土台や基礎が重要である事は説明するまでもないでしょう。自分のブランドを立ち上げたいのであれば、まずはミッションを明確化する事から始めましょう!

アパレルブランドの
立ち上げ・成長支援

プロダクトブランドチャレンジ では、マーケティング設計からブランド立上げ、商品企画、webサイト・ECサイト作成、プロモーション、販売イベント、展示会出展など、ブランドの立ち上げ~成長(月商200万円程度)までのプロセスをオールインワンサポート しています。

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