個人のアパレルブランド向け展示会の種類・時期・出展の流れについて解説

個人でアパレルブランドを立ち上げたら、適切な展示会に、適切なタイミングで展示会に出展しましょう。展示会への出展はビジネスを大きく飛躍する可能性を秘めています。しかし、その一方で展示会への出展は少なくとも数十万円以上のコストが発生する為、個人のアパレルブランドにとっては頻繁に出展出来るものではありません。展示会の種類や出店のタイミングを間違えると、期待した結果を得る事は困難になります。

ここでは、個人のアパレルブランドが出展すべき展示会の種類や展示会の時期、さらには出展のタイミングから出展の流れに至るまで、アパレル展示会の基本について解説します。

アパレル展示会の種類・時期・出展の流れについて解説

目次

■はじめに

■個人のアパレルブランド向け展示会の種類:個展と合同展示会

個人のアパレルブランド向け展示会の種類:合同展示会の種類

個人のアパレルブランド向け展示会の開催時期

■個人ブランドの展示会出展のタイミング

個人アパレルブランド向け展示会への出展の流れ

■まとめ

はじめに

ここでは個人のアパレルブランドに向けた展示会の基本について解説します。

まずは、アパレル展示会の基本を理解し、次に自分のアパレルブランドに適した展示会を選び、最後に、適切なタイミングで出展を検討するようにしましょう。早く展示会に出展したい気持ちはよく分かりますが、事業レベルの低い段階で出展してもほとんどの場合、期待する成果を得る事は出来ません

「とりあえず」展示会に出るのではなく、必要な知識を得て、適切なタイミングで出展する事が重要という事を事前に理解しておきましょう。

個人のアパレルブランド向け展示会の種類:個展と合同展示会

展示会には、個展合同展示会があります。

■個展(主催展示会):自分で主催する展示会。自分で場所を借りて、集客等を行う必要がある。

■合同展示会:複数の事業者が集まって開催される合同の展示会。合同展示会の主催会社が会場の確保・出展者の募集・来場集客等を行う。

個人のアパレルブランドの場合、最初に出展すべきは合同展示会です。合同展示会の場合、主催会社が各小売企業のバイヤーや、報道関係者を集客してくれるので、簡単に言ってしまえば、出展するだけで様々な人に自分のアパレルブランドをアピール出来るからです。

一方個人のアパレルブランドの場合、個展の開催をされる方は少ないですが、取引先がある程度増えて来た場合(少なくとも10社以上)は、個展の開催も積極的に行うべきです。

個展を開催しているアパレルブランドは、ほとんどのケースで既存の取引先に対する新商品発表会の場として個展を開催しています。これは個展の方が、来場者の商品に対する興味関心が高く、また商品をゆっくりじっくり丁寧に説明出来るので、取引成約に繋がる可能性が高いからです。

事業において売上を最大化させる方法は、新規顧客を獲得し続ける事だけではありません。既存の顧客を維持していく事も非常に重要であり、むしろ既存の顧客を維持する事の方がコストがかからず、新たな売上に繋がりやすい傾向があります。

以上より、個人のアパレルブランドの場合、まずは合同展示会に出展し新規取引先の獲得に努め、取引先が増えてきたら個展を開催し既存の取引先(顧客)の維持をはかり、効率的かつ効果的な事業の成長に繋げましょう。

個人のアパレルブランド向け展示会の種類:合同展示会の種類

個人のアパレルブランドの場合、まずは合同展示会に出展すべきですが、合同展示会にも様々な種類やコンセプトが存在します。合同展示会の種類や展示会ごとの雰囲気、コンセプト等を理解した上で、自分のアパレルブランドに最も適した展示会に出展するようにしましょう。ここでは、実際のアパレルブランドの合同展示会をいくつか紹介致します。

rooms(ルームス)

「2000年、クリエイションを中心にしたコミュニティや経済圏の醸成を目的に、クリエイティブの祭典 rooms(ルームス)をスタート。ファッション・ライフスタイル・アート・パフォーマンス・飲食など、あらゆるジャンルからのべ1万組以上のクリエイターが参加し、通算 50 万人を動員。rooms独自の感性で構成するストーリーあるコンセプトやエリア、ゾーニングが特徴的で、多様な価値観で新たな市場の創造に繋がるよう工夫を凝らしています。現在は、業界関係者のみならず一般のお客様にもお越しいただける祭典へと、多様化するニーズに合わせ、進化し続けています。」(出展:roomsホームページより)

アッシュ・ペー・フランスというセレクトショップが運営する展示会の為、特にファッション色が強く、個性的なブランドの参加が多い。3日間で約20,000人のアパレル関係者が来場する。最初に個人で出展するにはおすすめのアパレル展示会。

参加ブランド数:約300~500

来場人数:約20,000人(3日間)

出展費用:100,000+tax~

会場:新宿住友ビル・代々木第一体育館など(主に東京)

その他:物販可能/個人事業主でも出展OK

manicolle tokyo(マニコレトウキョウ)

「合同展示会 manicolle tokyo(マニコレトウキョウ)は、若手やNEWブランド、新進気鋭のブランドなどファッションを中心に、ジャンルの問わず集めた合同展示会です。アパレル、ファッション、アクセサリー、ジュエリー、カバン、バッグ、靴、帽子、雑貨、インテリアなど、幅広いのジャンルのブランドが集ります。」(出典:manicolle tokyoホームページより

日本最大のトレードショウである「GIFT SHOW」の中(一部エリア)で開催している。ファッション業界だけでなく、幅広い業界のバイヤー(インテリア・雑貨・美術・美容・飲食など)が来場する。来場者が多く、個人のアパレルブランドでも出展出来るので、最初の展示会としておススメです。

参加ブランド数:約60~70

来場人数:約20万人

※ギフトショーと合わせた3日間の合計人数。2020年以降はコロナによる影響から約10万人程度

出展費用:160,000円(税込み)~

会場:東京ビッグサイト

その他:物販可能/個人事業主でも出展可能

他にも規模の大きなアパレル展示会には、繊研新聞社の「 PLUG IN」や、RX社(旧リードエグジビションジャパン)「 ファッションワールド東京」などがありますが、出店費用が上記2つに比べてやや高めです。中規模展示会であれば、「 JUMBLE」、「 Mag」などがありますが、こちらはやや個性的なコンセプトの展示会なので、WEBサイトを参照し自分のブランドの世界観に合うのであれば出展を検討しても良いかと思います。


個人のアパレルブランド向け展示会の開催時期

アパレルの合同展示会は、春夏向けの展示会と、秋冬向けの展示会に分かれて開催されます。

時期は2月と9月(年2回)に開催される事が多いです。通常は展示会で新商品をお披露目し、受注を受けてから製品製造に入ります。そうすると商品が納品されるまでに数か月を要する為、2月の展示会では半年先の秋冬商品を、9月の展示会では半年先の春夏商品を出展します。

ただ、実際ところ、個人ブランドなどは2月の秋冬向け展示会でも春夏商材が並んでいたり、9月の春夏向け展示会に秋冬商材が展示されていたりとブランドにより季節性がバラバラだったりしている事もよくあります。

個人ブランドの展示会出展のタイミング

個人のアパレルブランドが合同展示会に出展するタイミングは、ある程度販売経験を積んだ後に出展する事をおススメしています

自分のアパレルブランドを立ち上げた後すぐに展示会に出展される方も沢山いらっしゃいますが、基本的にはあまりおススメしておりません。(経験・スキルによる)合同展示会への出展は、確かにブランドビジネスを大きく成長させる可能性を秘めていますが、その一方でプロのバイヤーの目は非常にシビアです。数百~数千というブランドが集まる展示会では、商品の魅せ方や、世界観、さらには価格決定などを判断材料として、一瞬で売れる商品か否かを判断されます。ターゲットや世界観が定まらないまま展示会に出展しても取引に繋がらないどころか、ほとんどのケースでブースに足を止めてもらう事すら出来ません。

これに対し、事前に販売イベントを経験しておき、商品がある程度売れる状態になっておけば、足を止めてもらう可能性の高いディスプレイ(商品陳列)の方法や、顧客に対する商品の伝え方が洗練されるので、これにより展示会や商談における成功確率を飛躍的に高める事が出来ます。

展示会への出展は、少なくとも数十万円以上のコストが発生するため、個人のアパレルブランドにとっては気軽に参加出来るイベントではありません。個人ブランドが展示会に出展する際は、数十万円というコストに見合った成果を獲得する為に、個人ブランドとしてのレベルを上げてから出展する事をおススメします。

個人アパレルブランド向け展示会への出展の流れ

各展示会により多少流れは異なりますが、概ね以下の流れで展示会に出展します。展示会会期の2~3ヶ月位前に出展申し込みの締め切りを行う事が多いので、半年位前から余裕をもって出展の検討や準備を行いましょう。

①展示会の公式サイトから展示会の資料を送付してもらう。

②出展申し込み書・ブランド資料(概要・写真・価格・個人プロフィールなど)の送付

③出展審査

④合否の連絡

⑤出展料金の支払い(審査合格の場合)

⑥(出展者説明会)

※ある場合とない場合がある

⑦展示会出展

まとめ

個人のアパレルブランド向け展示会の種類・時期・出展の流れについて解説致しました。繰り返しになりますが、展示会への出展は、数十万円以上のコストが発生するため、適切な展示会に、適切なタイミングで出展するようにしましょう。

■個人のアパレルブランドはまず合同展示会へ出展する

■合同展示会にも様々なコンセプトの展示会が存在するので、自分のブランドに合った展示会を選定する

■アパレル合同展示会の開催時期は2月と9月が多い

■個人ブランドは販売イベント等で経験を積み、ブランドとしてのレベルを上げてから展示会への出展を検討する

■会期の半年前から出展の検討をし始める

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